石橋湛山の65日読了。1973年に88歳で亡くなった方で、名前は知っていたという程度の知識しかなかったが、本書を読み始めた途端に引き込まれた。昭和は遠い過去になりつつあるが、こういう書籍が残ることで現代の問題として昭和の政治を考えることができるようになる。
言論の人で、1924年に東洋経済の主幹となり、軍部を批判している。後に初代社長となった。思想より事実を重んじ、現実を見て判断する人だったようだ。資料1に出てくる第26回国会 施政方針演説は簡潔ながら強い意志が感じられるものだ。軍備についても言及していて、平和を守るためには力が必要という現実を明示している。排他的愛国者とは一線を画するものがあり、保坂氏が述べているようにもし病気による引退がなければ歴史が変わっていただろうという意見には賛同できる点があった。
当時と現在では状況が大きく異なるが、もう一度政界再編があっても良いと感じさせられた。
脇道にそれるが、途中で、自由学園創立30周年祝賀会に出ていた話がでてきて驚いた。