無敵化する若者たち読了。気づきの多い本だった。
Bの「日本経済を維持・発展させるためにがんばりたい」が選ばれるとは思わなかったが、衰退した日本で「穏やかに暮らせる」わけがないことを理解できないことには絶望感がある。飢えと戦争(内戦含む)や専制と隷従を実体験してきた人と話した経験があるからAが破滅的選択であることは強く確信している。
しかし、実態としてリスクを犯したくないという空気が支配しているのはわかる。数年前自由学園の学部生が機会の平等より結果の平等のほうが良いと言っていたのに驚愕した記憶が蘇った。
著者の金間大介氏はアカデミアの人だから、事実を定量的に示し自分が立てた仮説の検証をわかりやすく記述していて説得力があり、改めて見直した自分の身近で起きていることと整合していた。ただ、違和感もある。リスクを犯さないことが最良の選択だと刷り込んだのは誰か(何か)は追求されていない。右派は長い時間をかけて隷従者を育成し、権力拡大を求めて扇動してきた。リスクは評価して取るものだ、そしてリスクを取って失敗したものを自己責任といって切り捨てずに生きていけるようにできなければ明るい未来は訪れないだろうと思う。
価値観を変えたいという思いは不遜だと思うが、専制と隷従を指向する勢力は平気で洗脳してくる。不遜であっても、対案を提示するほうが良いと私は思う。