WEIRD「現代人」の奇妙な心理(上)読了。早速、下巻の借り出し手続きを行った。
原題は、The WEIRDest People in the Worldで、How the West Became Psychologically Peculiar and Particularly Prosperous(西洋が心理的に特異で、特に繁栄した理由)というメッセージが添えられている。表題やメッセージからダイレクトには伝わってこないが、キリスト教(特にプロテスタント)が人間を改造した経緯が書かれている本と考えても良い。ある意味で、搾取の歴史であり、社会主義化のお手本が書かれているとも言える。ただ、今後同じ手法は通じることはないだろう。
著者の解釈では、プロテスタントが(腐敗した)聖職者の言動に安易に従わず、直接聖書を読んで神意を理解することで救われると説いたことで識字率が上がり、女性の社会進出が進んだと言う。その前に、相続を困難化することで個人資産が教会に寄進されたことも響いていて、その利権で教会が腐りプロテスタントの台頭を招いたことも明らかにしている。勝手な解釈だが、義人ヤコブ恐るべしといった感想を持った。
日本でも、明治から大正、昭和初期にかけて外遊した華族等が、日欧あるいは日米の社会構造の違いに気づき、類似制度が日本でも構築された。捨象すれば、家長制の崩壊である。今、巻き戻しの風が吹き荒れているが、決してもっと大きな流れを止めることはできないだろう。本書では第二次世界大戦後に中国でも同様な動きが進んでいることにも触れられている。
様々な調査データを引きながら、心理学、社会学的な学術的アプローチで仮説を検証してもっともらしさを主張しているが、批判的な考察も必要だろう。
下巻を読むのが楽しみである。