タリンの今年の変化

11月にタリンで過ごす習慣が5年目を迎えた。毎年開発が進んで街が綺麗になるという変化は例年通りなのだが、ことしは、それとは違う変化が2つある。一つは、頻繁に軍人を見かけること、もう一つは雪がないことだ。

軍人は、恐らくテロの警戒をしているのだと思う。観光客の多い旧市街を2名あるいは6名程度のグループで巡回している。これまでそういった動きが気になることがなかっただけかもしれないが、多分気のせいではない。朝歩いていると50人以上の集団で移動していることを見かけたこともある。彼らに特別な緊張感は感じないが、いつものルーチンという感じでもない。

ERRの英語ページには、Ole valmis!(備えよ!)というアプリをダウンロードするように求めている。アンドロイドで実際にダウンロードしようとしても日本をロケーションとしているとサポート外となるが、追加設定で地域をエストニアにすれば問題なくダウンロードできて動作する。2台目のアンドロイドにはエストニアのSIMを入れ、エストニアモードになっているので触ってみた。実態としては、https://www.olevalmis.ee/enで見られるものと同等である。不審ドローンの報告のページもあるし、EE-AlarmというJアラート相当の情報、避難所の情報もあり、かなり臨戦感がある。私は既に当地を離れている予定だが、EE-Alarmは12月10日に全国公開警告テストが予定されている。

街は平和で、特に緊迫感はないが、やはりどこか平時ではない。21年にウクライナ戦争前に行ったNarva国境は昨年は出入りが閑散としていた。ERRの記事では、まだ規制の範囲で、双方から人が動いて商品を動かしているということで、恐らくNarvaはロシアとのやりとりが完全に止まると持続可能性に影響が出るのだろう。

もう一つの変化は12月頭に旧市街の北側の池の氷が完全に溶けてしまっている点だ。タリンは雪は珍しくないが、雪が消える日もある。ただし、私の記憶では凍結を注意せずに歩ける日は稀、ほとんどない。特にトームペアと言われる丘の北側は12月は全く陽がささないので、階段が凍結して注意深くしていないと本当に危険なのだ。Wikipediaにあるように20m程度の崖のような地形で要塞を形成している。7000年前は島だったらしい。

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この丘の上に3つの展望台があり、良い景色が眺められる。

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北側の下から見上げるとこんな感じ。

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今日、この画像の池の氷が完全に溶けていた。私の感覚では異常事態で、一度凍ると数日氷点下にならなくても氷は溶けない。12月の頭にはかなり分厚くて人が乗れるレベルになるのに氷がないのだ。

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今回、これまでの滞在で一番寒かったのは11月27日で-9度で帽子と手袋がなければ危険な寒さで、翌日も池はそれなりに凍っていた。

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ただ、昨年11月24日の景色とは全く違う。

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その後今日12月2日までかなり温かい日が続いていて、日中は帽子さえいらない日が続いている。わざわざ持ってきたスノーブーツ(雪がなくても凍結している時は履く)の出番もないし、ダウンコートもその日以降は出番がなくWorkmanの薄い防寒服で問題ない。道の氷を気にしなく良くなると、スニーカーでポケットに手を入れて歩けるので、手袋もなしで良い。手袋は防寒の側面もあるが、滑った時に手を傷めないために必須なアイテムでもある。それがいらないというのは驚きだ。

ひょっとすると、今年は雪の旧市街を見ることなく帰国することになるかもしれない。

※冒頭の画像は今朝、夜明け前のカドリオルグ公園

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