ロストハウス

日経新聞で「大島弓子が描く小さな解放区」という記事を読んで、『ロストハウス』を読んだ。大島弓子は大昔に綿の国星を読んだことがある程度。絵が美しくて印象的だが、私にとってはぜひすべての作品を読みたいと思うような作家ではなかった。

日経の記事の中に「感情の解放区」という言葉が出てきたのが読んでみようと思った動機だ。実際に読んでみると結構難しい。6話全てがありえないストーリーだが、どれもイメージできる。私は主人公や脇役たちに感情移入できないが、生きる力はどこから来るのかに思いを馳せることになった。彼らは一人では生きていけないが、依存は本質的な解決ならないことを知っている。

全編を3回繰り返して読んでようやく登場人物の感情の動きにおぼろげにわかったような気になったが、感情移入は難しい。

10年後に再読したらどう読むのだろう。

改めて日経の記事を見たら書き手が北川悦吏子なのに気がついた。

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